“『あい作』で生産者と販売先・消費者とを結びつけ、
それにより産地力を高めていきたい”
年間6,000万袋の出荷先へ届けたい思いとは

JAみい(みい農業協同組合)様

  • 導入目的

    安心・安全な農作物を提供するために栽培を「見える化」し、持続可能な農業を実現する

  • 導入前の課題

    紙ベースの栽培管理は非効率であり対応が困難になっていた

  • 導入後の効果

    栽培過程を見える化することで信頼度が高まり、品質向上にもつながった

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JAみいの管轄する地域は、福岡県の中央、筑後川流域の北部に位置し、米や麦、大豆の他、約70品目の野菜が栽培されている、年間を通して産地の名前が食卓から消えない野菜の産地です。
安心・安全な農作物を提供するために、DXやITを活用して改革に取り組んでいます。
その取り組みの中で、これまで紙で行っていた農薬などの管理をデジタル化し、そのデータを公開することで安心・安全な農作物をPRしブランド力強化につなげたいという想いで導入したのが、NTTデータの「あい作 栽培管理システム」です。

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お話しいただいた方

  • 本山さん

    JAみい
    営農部 園芸課 兼 販売促進課
    課⻑ 本山 秀一様

  • 荒巻さん

    JAみい
    営農部 園芸課 兼 販売促進課
    荒巻 衛岐様

  • 原口さん

    水菜・小松菜生産者
    原口 知晴様

Q. あい作・栽培管理システムを導入する前の課題や問題について教えてください。

栽培管理の紙ベースでの管理がとても非効率的だった

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栽培管理については今まで全て紙で管理しており、膨大な紙の資料をチェックしたり必要な情報をその中から探しだすということは、とても非効率的で対応が困難になっていました。
そのため、栽培履歴(防除履歴)を販売先から求められても迅速に対応できない状況にありました。
また、販売する上で販売先・消費者と繋がり産地力を強化して持続可能な農業を実現したいという思いがありました。(JAみい 本山様)

Q. あい作・栽培管理システムを選んだ理由について教えてください。

初期投資がかからず月額定額制であったこと

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一番大きかったのは初期投資がいらないということです。合わなかったら止められるという選択肢が一つ得られる。月額の定額制で進められるので導入のきっかけとしてはよかったです。
また、JGAP対応のものを探しており、「あい作」についてはJGAPに対応と書かれていましたので、我々も調べて、アポイントを取って指導を受けたという形です。(JAみい 本山様)

Q. 導入時に工夫した点はありますか。

徹底的にフォローすることで、利用率は100%を達成

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初めは小松菜部会17名でスタートしました。まず職員の講習会をやっていただいて、それから部会の説明会という形の流れを何回かやらせていただいて、普及の部分では、とりあえず一回全員登録して触ってもらいました。
若い人は移行も案外簡単だったのですが、今まで紙媒体でやっていたため、年配の方はどうしても「紙がいい」と言う方もいました。それでも、必要とされる情報は「あい作」の中でやってとお願いしたり、やらなくてはいけないと言い続け、使い始めてもらいました。
自分の手帳などに書かれてる部分の記録はスマホや家のパソコンで管理した方がラクだということを言い続けた結果、理解してくれたようです。仕方なく移行したっていう部分は多少あったかもしれませんが、それ以降は不満の声はなくて。徹底的にフォローすることで、利用率は当初100%を達成しました。(JAみい 本山様)

Q. あい作・栽培管理システムの利用状況と利用拡大にあってのポイントについて教えてください。

部会の担当者のスキルをいかに上げるかが重要

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今年、2023年の1月にあい作を使っていない全部会について、一回触っていただくという事で圃場登録までやっていただきました。
担当者によって、利用率が伸びてる部会・伸びてない部会と分かれます。しっかり理解した担当者が説明した部会については伸びていますしそうじゃない担当者は部会も伸びてないので担当者のスキルをいかに上げきるかっていうのがポイントだと思います。(JAみい 本山様)

Q. あい作・栽培管理システムを導入したことでどんな効果がありましたか。

事務作業が圧倒的に楽に、品質向上により産地の信頼度アップ

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事務作業が圧倒的に楽になりました。担当者が非常に勉強になっているというのもあります。生産者の方から要望がある農薬についてきちんと調べて、それに対してきちんと判断ができるようになりました。以前は生産者が持ってきた書類をチェックして、それが正しいか正しくないの分からず判子が押されていたこともあります。
また、基本的に栽培管理システムは、播種前に計画を作るという前提の話で進むのですが、今まではある程度予測面積は取っていましたが、しっかりと形で残る計画は取っていなかったので「あい作」を導入して良かったと思います。
一番の効果は、商談に行った時に、お客様に「今こうやってやっています」とアプリで栽培履歴をリアルタイムで提示できるようになったことで、産地の信頼度が高まりました。(JAみい 本山様)

品質が悪い人を改善させるとき、良い人の栽培管理を見るのが手っ取り早い方法になります。部会担当者は「あい作」を通じて、同じ地区、同じ品種で品質が良い人の栽培管理を見ることができる。生産者からは見ることができませんが、担当者を通して教えることができるため、全体の品質向上につながっているように思います。(JAみい 荒巻様)

Q. あい作の導入を検討している方に向けて利点やアドバイスなどありましたらお聞かせください。

考えるよりもまずは一回やってみた方が早い

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絶対やった方がいい。
まずはやってみて一回使ってみるのが一番ですね。考えるよりもやってみた方が早いです。(JAみい 本山様)

圃場の記録がリアルタイムで見れることが利点です。
使ってる側も、生育日数だったり防除した記録だったりがすぐに見れるのが、かなりの利点だと思います。(JAみい 荒巻様)

Q. あい作を活用した今後の展望や期待していることをお聞かせください。

生産者と販売先・消費者とを結びつけ、産地力を高めていきたい

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「見える化」をおこない興味を持った消費者の方が、産地の栽培状況を覗くことができるようにしたいです。そのため「あい作」で集まった栽培に関する情報をホームページ上に公開しようと考えています。
年間6,000万袋を出荷していますが、すべての袋にQRコードを入れることにより6,000万人の人にPRができる。「あい作」を活用し、生産現場へと繋がるQRコードを貼ることにより、今の生育ステージなり、産地背景をはじめとするすべての情報を共有できたらな、というのが狙いです。
それを消費者の方にご覧いただいて、「こういう状況なんだ」、「収穫してもお金にならないから産地廃棄せざるを得ないのか」など、生産現場を見て理解して欲しい。
いつでも品質の良い野菜を買うことができるのは、産地の努力、生産者の努力があってこそ。それを知っていただきたい。
「あい作」で生産者と販売先・消費者とを結びつけ、それにより産地力を高めていきたいと考えています。(JAみい 本山様)

Q. (生産者様へ)あい作・栽培管理システムを導入する前の課題や問題について教えてください。

異なる栽培管理表のフォーマットを統一したい

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私は2つの部会に加入しているんですが、部会によって栽培管理表のフォーマットが異なり記入の仕方も違っていたのでその辺が統一できたらいいなという希望がありました。また、繁忙期なんかは作業の方にどうしても意識がいってしまって、本来いけないのですが栽培記録を後回しになってしまうことが時々ありました。(生産者 原口様)

Q. (生産者様へ)あい作を導入したことでどんな効果がありましたか?

栽培管理表の記入が楽になり、JA担当者と栽培情報を共有できる

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部会によって紙の栽培管理表のフォーマットが異なっていたものが、アプリで様式が統一できたことがまず良かったです。また、紙だと管理表の記入が後回しになり貯め込んでしまうことがありましたが、それが無くなったのはメリットですね。
特にいいな、と感じるのは、播種日、消毒した日、品種により何の種を撒いたか、といった情報をJA担当者と共有できること。出荷計画を立てやすくなるでしょうから、それは産地としてメリットになるはずです。また、「あい作」導入以前は部会の会議等で相談や情報共有は口頭でやっており、どうしても感覚的なところがあったので「あい作」等でデータに基づいて判断するということが可能になりました。(生産者 原口様)

Q. (生産者様へ)あい作を活用した今後の展望や期待していることをお聞かせください。

「栽培履歴の一本化」を行い有利販売と信頼につながることに期待

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取引先等に信頼を持たれる販売をしていくにあたって、JAみいが一枚岩となり、「あい作」を導入することで「栽培履歴の一本化」を実現していくことが有利販売と信頼に繋がっていくんじゃないかと感じています。
栽培履歴っていうのが当然の世の中になってきていますので、やれる人がきちんとやっていくことで、将来につながっていくんじゃないかなという風に感じます。
他の部会ではJGAP取られてたりと、品質や安全に対してのJAみいさんの取り組みや、そういうことに対する熱心さっていうのが徐々に生産者にも伝わって取り組みに繋がっているのではないかと感じます。(生産者 原口様)

 

この記事の内容は2023年7月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。

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