万願寺⽢とうのブランド基準栽培による
産地⼒向上の取り組みとは

JA京都にのくに(京都丹の国農業協同組合)様

  • 導入目的

    万願寺⽢とう栽培における、京のこだわり栽培基準準拠への活用

  • 導入前の課題

    栽培履歴を紙に記⼊しJAに提出、JA側で確認している間は栽培記録が生産者の⼿元にない状態が続いていた

  • 導入後の効果

    栽培記録がスマホでその場で記⼊でき、かつ薬量が防除前に確認できるため栽培⾃体の安全性に繋がった

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京都府北部『丹の国(にのくに)』の舞鶴市郊外万願寺地区発祥の万願寺⽢とう。
JA京都にのくにでは、「万願寺⽢とうの⽣産拡⼤‧販売⼒強化」を⾃⼰改⾰の施策の⼀つに位置付け、地域の財産として⼤切に育てています。
「あい作・栽培管理システム」も活用しながら、京野菜のブランド化、産地力向上に取り組んでいます。

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お話しいただいた方

  • 澤田さん

    JA京都にのくに
    営農経済部農業振興課
    課⻑ 澤⽥ 誠様

  • 岡野 秀紀様

    万願寺⽢とう⽣産者
    岡野 秀紀様

Q. 万願寺⽢とうの栽培の取組みやブランド化にて実施した施策を教えてください。

真摯にネームバリューの定着やブランドイメージの向上に努めています

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『万願寺とうがらし』の名前が⼀般的なのですが、当地で作る万願寺とうがらしは『万願寺⽢とう』という名前で、平成元年ブランド化の時に商標登録をしました。万願寺⽢とうは営農の柱となる作物で、多くの特産物がある中、⼀番価格が安定し、どこでも作れることもあって、たくさんの⽅に作っていただいています。
万願寺⽢とうを全国的に⼀般消費者に認知していただくため、万願寺⽢とうの正式ガイドブックやオフィシャルサイトを制作するなどして真摯にネームバリューの定着やブランドイメージの向上に努めています。(JA京都にのくに 澤田様)

Q. ⽣産‧販売における課題と解決策をお聞かせください。あい作・栽培管理システムはどのように寄与しましたか。

計算するのが⼤変難しい化学農薬の上限が⾃動計算されますし、農薬の回数も⾃動的に分かるため、⼤いに活⽤

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万願寺⽢とうは、京のブランド産品としてブランドシールを貼ることがブランドの条件となりますが、貼るためには京のこだわり栽培という、化学農薬の使⽤回数や化学肥料の使⽤条件などの基準をクリアしなければいけません。
導⼊したあい作・栽培管理システムでは、計算するのが⼤変難しい化学農薬の上限が⾃動計算されますし、農薬の回数も⾃動的に分かるため、⼤いに活⽤しています。(JA京都にのくに 澤田様)

Q. あい作・栽培管理システム導⼊のきっかけと、利用状況を教えてください。

年配の⽅の⽅が細かく⼊⼒されていることもあるので、使い勝⼿はよさそうです

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あい作のシステムでは栽培記録管理はもちろん、営農指導の状況や情報伝達の機能があるため、選ばせていただきました。
万願寺⽢とうの⽣産者が約350名で、そのうちの100名が使っています。割合としては6割ぐらいが若者で、残り4割ほどがご年配の⽅です。
今では年配の⽅もスマホをお持ちで、⼊⼒は苦にはなっていないようで、逆に年配の⽅の⽅が細かく⼊⼒されているので、使い勝⼿はよさそうです。生産者の立場としては、紙でのやりとりがなくなったこと、空き時間で⼊⼒ができることから、すごく助かっていると聞いています。(JA京都にのくに 澤田様)

Q. 今後の取組みについて教えてください。

将来的にはあい作を利⽤して情報のプラットフォームを形成していきたい

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当JAの営農指導員と⾔われる担当職員も数が減ってきており、IT技術を利⽤して営農指導ができるのはすごく魅⼒的です。あい作を活⽤し、⽣産者と病気の情報や出荷の情報といった⾊々な情報を密にやりとりしていきながら、将来的にはあい作を利⽤して情報のプラットフォームを形成していきたいと思っています。(JA京都にのくに 澤田様)

Q. 栽培でご苦労されていることはどんなことですか?

どれだけ⼿を⼊れられるかが収量や秀品率に直結するので、⼿を抜いて雑に作ることはできません

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万願寺とうがらしは、まだまだメジャーな野菜ではなく、使える農薬が限られています。病気が出ると、⼀般的な野菜と違い、安⼼して撒ける薬の種類がすごく少ないです。病気や⾍が出ると結構⼤変なことです。どの作物にも⾔えますが、どれだけ⼿を⼊れられるかが収量や秀品率に直結するので、⼿を抜いて雑に作ることはできません。真⾯⽬に作ろうと思うと、すごく⼿間のかかる野菜です。(⽣産者 岡野様)

Q. あい作をご利⽤されて便利になりましたか?

京のこだわり農法で決められた農薬量がある中で、栽培⾃体の安全性に繋がっています

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栽培履歴を紙に記⼊して、1カ⽉に1回提出、チェックされ返ってくる、これだと必ずタイムラグがありました。⻑い場合は10⽇、早くても1週間ほどは栽培記録が⼿元にない状態が続きます。
以前から、メモ書き程度に紙の栽培履歴を残していましたが、直接的な数字ではなかったり、どこを⾒るべきか判別できるような書き⽅でなかったりで、都度担当者さんにどれだけ使ったかを聞いていました。あい作だとその場で記⼊でき、もし間違っていたら連絡していただけるので、とても役に⽴っています。
極論を⾔えば、紙もデータの⼊⼒も、労⼒的には変わりません。それよりも、京のこだわり農法で決められた農薬量がある中で、あい作では使⽤すべき薬量が出るので防除前に確認ができますし、希釈するときに量が⽬に⾒えてわかるのですごく楽になりました。栽培⾃体の安全性に繋がっています。(⽣産者 岡野様)

 

この記事の内容は2021年10月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。

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